デング熱、マダニ、MERS
デング熱、マダニ、MERS(マーズ)コロナウイルス
昨年の夏、160名を超える感染者を記録したデング熱、そもそもはデング熱に感染した方によって海外から日本に持ち込まれたとみられています。
そして近日報道されている韓国で流行したMERSコロナウイルス(中東呼吸器症候群)、これは2012年9月以降、中東地域を中心に感染確認がされているウイルスで、韓国ではわずか3週間で感染者100名以上死者9名を記録しています。
そして現在注意が呼びかけられているマダニによるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、2011年にはじめて特定されたウイルスで以前から日本に存在していたと考えられていますが、特定後は全国でおよそ135名の感染者うち32名の死亡が確認されているということです。
デング熱、MERSコロナウイルス、マダニによるSFTSだけでなく他にも、デング熱に似た症状のチクングニア熱、鳥インフルエンザ、マラリア、エボラ、ポリオ、コレラ、ペストなど、世界では様々なウイルス感染症が猛威をふるっています。

デング熱をはじめこれらの感染症についての知識を集めたり、予防対策をできるだけ早くする必要があるのはなぜでしょう。
それは、2020年に東京オリンピックが開催予定だからです。
オリンピック、世界中の方々が日本へ訪れます。今まで日本で流行したことのないウイルス感染症でも、流行する可能性はあります。自分の身は自分で守る!しっかりとした予備知識と対策を考えていきましょう。
デング熱
デングウイルスによる感染病です。
デングウイルスに感染したヒトスジシマカに刺されることによって感染します。ヒトからヒトへの感染はありません。デングウイルスには1型2型3型4型があり、一般的な症状はデング熱と呼ばれ、蚊に刺されてから3日~7日で、40℃近い高熱が一週間続く、頭痛、熱の下がりかけに発疹、といったものです。
しかし、出血症状を伴うデング出血熱(DHF)や、デングショック症候群と呼ばれる病態もあります。2014年8月の東京代々木公園を中心としたデング熱流行は、日本国内では69年ぶりの流行となります。もともとは主に東南アジア、中南米、アフリカ、カリブ海諸国など100ケ国以上の国で発生しています。
尚、蚊は冬の間、一旦死ぬので2014年夏の蚊は残っていませんが、海外旅行者などにより再び持ち込まれる可能性はあります。
デングウイルスに感染した蚊に刺されないことが一番の予防方法です。
また、ヒトスジシマカはほんのわずかな水たまりにも卵を産む為、植木鉢の受け皿、空き缶、古タイヤなどに溜まった水はこまめに捨て、こまめにゴミの片づけをしましょう。
SFTS(マダニ)
ブニヤウイルス(SFTSウイルス)による重症熱性血小板減少症候群(SFTS)です。
SFTSによる症状は、38℃以上の高熱、食欲不振、腹痛、嘔吐、下痢、重症化すると致死率3割ともいわれています。ウイルスを保有しているマダニによって感染、他には感染したヒトの血液や体液からの接触感染も報告されています。
ブニヤウイルス(SFTSウイルス)感染を防ぐ為にはマダニに咬まれないことが重要です。
マダニは日本全国にいますが、家にいるイエダニのおおそ10倍の大きさ(3mm~5mm)で、林や藪のなかに生息し、主に道のそばでヒトや動物が通りかかるのを待ち伏せしています。二酸化炭素を察知するセンサーのようなものを持っていて、皮膚に一度かみつくと接着剤のようなもので固定しなかなか離れません。ですが、吸着されても痛くもかゆくもないので気付きにくいといえます。
マダニに咬まれない為には緑のある場所へ出かける際には薄い色の長袖・長ズボンを着用し、露出部分をなくすこと、外出後の衣服はすぐに洗濯するかナイロン袋に入れて口を閉じておくこと、吸血中のマダニを見つけたら医療機関で処置することです。(マダニの病原体を体内へ押し込まないように慎重にはずす必要があります)
MERS(中東呼吸器症候群)
MERSコロナウイルスによる感染症です。
主に中東地域から流行、38℃以上の発熱、咳、息切れ、下痢といった症状があらわれますが、重症化し死亡する割合は4割といわれています。
ヒトコブラクダがMERSコロナウイルスを保有しているとされていますが、感染源はまだ特定されていません。感染者からの飛沫感染、接触感染は確認されています。
現在のところ、感染確認地域(特に中東・韓国)においてヒトコブラクダを含む動物との接触に注意する他、咳やくしゃみをする人との接触に注意することくらいしか予防策はありません。
また、慢性の肺疾患や免疫不全などの疾患がある方は、感染症にかかりやすいので、海外へ旅行する際には十分な注意が必要です。
心身を整えて免疫力を高めておきましょう!
上記では、主に推奨されている予防方法を記してみました。
海外へ渡航する際には感染源や感染者に接触しないよう注意する。
蚊やマダニに刺されないようにする。これらの注意ももちろん大切なのですが、加えて、容易く感染しないよう免疫力を高めておくと良いでしょう。
現代の日本人は、生活習慣や食生活の乱れなどにより免疫力低下が見受けられるように思えます。
生活習慣の見直し+食生活の見直し+漢方薬で、強い心身を作っておきましょう!
免疫力アップ!生活習慣改善ポイント
■ エアコンを多用しすぎない
■ 体を冷やさない
■ ストレスを溜めこまない
■ 質の良い睡眠を十分にとる
■ 毎日ストレッチや散歩など軽い運動を心がける
まずは睡眠を見直す
人間は寝ている間に、日中摂った食事の栄養を吸収しやすくしたり、免疫細胞が盛んに働いてウイルスと戦ったり細胞の修復作業をしたりしています。
夜遅く、電気をつけたりテレビやパソコン、スマホを観たりしていると、本来、副交感神経が優位にならないといけない時間帯に交感神経優位になり、増えすぎた顆粒球によって自分の体を攻撃してしまいます。
また、寝すぎも気を消耗し、本来交感神経が盛んにならないといけない時間帯に副交感神経優位となり、今度はリンパ球が増えすぎて自律神経のアンバランスを引き起こします。
「しっかり眠れた」
と感じられるかが睡眠の質です。
質の良い睡眠を成人であれば7~8時間とって頂けると良いと思います。「8時間睡眠だけど、朝シャキッとしない」という方は、眠る前の準備に工夫をしてみましょう。夕食やお風呂は寝る3時間前に終わらせる、テレビやパソコンは寝る2時間前には終わらせる、リラックスできる寝室環境を整えてみましょう。「心配事がある」「どうしてもうまくいかない」という方は、坂重薬局にご相談にいらしてください。漢方薬もありますし、質の良い睡眠をとれるアドバイスを差し上げます。
次にライフスタイルの見直し
現代はとても便利な世の中です。 しかし、その便利な衣食住が衛気(えき)不足を招いています。人間は自然の一部です。自然と共に生きることで衛気を養っていきます。
自分への過保護は、免疫力を育てる妨げになったり、自然の万物に対する適応能力の低下につながります。昼はよく動いて活動し、夜は休む、自然のリズムの中で生きることを意識すると良いでしょう。
そしてストレスを溜めこまない
多少のストレスは人生のメリハリとして必要ですが、ストレスを溜めこむと良い事はありませんね。趣味をもつ、お友達と映画に行く、カラオケ、スポーツ・・・ストレス解消法は色々とありますが、ここではストレスから逃げない方法をひとつお伝えします。
ストレスの源がわかっている方、そのストレスの源にもよりますが、例えばそれが人であった場合は、その人のストレスに寄り添ってみてください。
例えば会社の課長に毎日嫌味を言われる、それがストレスだ!という方は、その課長が何かストレスを溜めこんでいないかどうか観察してみましょう。
もしかしたら、何かしらのストレスを持っているかも知れません。課長が落ち込んでいる時にさりげなく「課長、お疲れですね。色々と大変ですよね」と寄り添ってみましょう。「ああ、実は大変なんだよ、かくかくしかじか・・・。」と簡単には話してくれないかも知れませんが、課長は貴方に「この人は自分を慰めてくれている、味方だ」と思うようになるのではないでしょうか。しばらくすると貴方にストレスをぶつけてくる事はなくなるかも知れません。
または「家が汚くてイライラする!」という事であれば、キレイに掃除するとか、家族それぞれが片づけを出来るように家族を育てるとか、とにかくストレス源を絶つことが大切です。
「○○がうまくいかなくてイライラする!」であれば、うまくいく方法をたっくさん考えて、片っ端から実行していくことです。
もちろん、うまく消化できない、という時もあるでしょう。その時は坂重薬局にご相談にいらしてください。イライラ解消用の漢方薬もありますよ(^^)💕
食生活の見直し
■ 生もの、冷たいものの食べ過ぎ飲み過ぎに注意する
■ 外食や冷凍食品、コンビニ食は控えめに
■ 喫煙、飲酒は控えめに
■ 旬の食材をとりいれる
■ たくさんの食材を摂れる工夫をする食生活についてはコチラもご参考ください。
★ 美味しく食養生 ★
★ 生活習慣病を防ぐ食養生 ★
代表的な漢方薬
中医学でいう気には、元気(げんき)・営気(えいき)・衛気(えき)・宗気(そうき)などがあります。免疫力にあたる衛気(えき)は体表をくまなく巡り、体に害のないものは通行許可し、体に害のあるものから守る門番の役割を担っています。
この衛気を高める為の処方が玉屏風散(ぎょくへいふうさん)です。玉屏風散(ぎょくへいふうさん)の処方で構成されたイスクラ衛益顆粒(えいえきかりゅう)は、崩れてしまった免疫バランスを整えるのに、最もおすすめの漢方薬です。

イスクラ衛益顆粒(えいえきかりゅう)は医薬品です。
服用の際は、薬草堂坂重薬局へお気軽にご相談にいらしてください💗
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