漢方FAQ
中医学とは、東洋医学、中国漢方、または単に漢方と呼ばれている医学のことです。
現代医学(西洋医学)が自然科学ベースであるのに対し、中医学は自然哲学がベースとなっており、根本的な考え方が違う為、病気に対する見方や考え方、人間に対する見方や考え方も異なってきます。
例えば、現代医学は病気や人間を部分(パーツ)で見ますので、必ず病名が決まっています。病名のないものは「原因不明」と扱われ対処療法が用いられる事も少なくありません。
中医学は病気も人間も部分ではなく、全体(トータル)としてとらえます。病名がない症状でも、心身に不調があればそれは「病気」であり、必ずその症状を起こしている「原因」がある、として考えていきます。「原因」を調べ解決していくことによって「病気」「症状」を改善していくものです。
現代医学も中医学もそれぞれ得意な分野がありますので、理想は統合です。
それぞれが得意な分野を活かし補完しあいながら、節度のある生活を送ることで、人間は健康で美しく元気に100歳の寿命を全うできるのだと思います。
漢方薬は正式には中成薬といいます。
中成薬は、自然界の植物・鉱物・動物・昆虫など、天然のものである生薬(しょうやく)から成っています。
生薬には「みかんの皮(陳皮:ちんぴ)」や「山芋(山薬:さんやく)」「生姜(しょうきょう)」など、食材として既に馴染み親しんでいるものもあります。薬になる以上、それぞれには薬効があるわけですが、西洋薬と決定的に違うのは素材が天然であるというところです。
人間も自然のものですから副作用も少ないのですが、やはり体質にあわない、症状にあわない漢方薬を服用すれば、良くないことも起こり得ます。正しく選び、正しく活用することは大事ですので、服用前には必ず専門スタッフにご相談ください。
かなりの一般の方が勘違いされていることです。
病気には急性のものと慢性のものとがあります。急性の症状に漢方薬は正しく使えば即効性があります。1日から2週間、症状の程度により服用期間が違ってきますが、逆に急性の症状で3ヶ月以上服用しても改善しない場合は、見立てが間違っている可能性があります。一方、慢性の症状ですが、こちらは長期間の服用になることもあります。何故かというと、慢性の症状は【時間をかけて体のバランスが崩れた状態】なので、時間をかけて正常な状態に戻してあげる必要があるからです。
曲がった鉄の棒を想像してみてください。まっすぐに戻すのに無理な力をかければ出来るかも知れませんが、鉄自体に負担をかけてしまい、悪くすると鉄はポキっと折れてしまいます。
性急にならず、心身全体のバランスを整えていく方法が最善といえるでしょう。
漢方薬は自己判断で服用すると、症状を改善させないばかりか、悪化する原因にもなりますので、必ず専門スタッフにご相談ください。
本当です。
中医学が得意なのは【心身のトータルバランスを整えること】です。妊娠は、心身のトータルバランスが整っていてはじめてあることだと思います。こんな例えしか出来ませんが、例えば畑の土が母体、種が父体、芽が妊娠と考えたとき、豊かな植物が成るには何が必要かを考えてみると、自ずと答えが見えてくるかも知れません。
中医学では、母体と父体の心身が健康であるかどうか、健康でない場合はどこのバランスが崩れているのか、を考えて対応します。赤ちゃんが授かった方は【心身のトータルバランスが整った】結果ですので「気づけば生理痛がなくなった」「頭痛がなくなった」という方が少なくありません。赤ちゃんが欲しい方は是非、子宝相談にいらしてください。
中医学では「イライラ」は主に「心」「気」の不調であると解きます。
現代医学では病名はなくても、中医学ではきちんと認識されていますので、是非ご相談にいらしてください。たかが「イライラ」も放っておくと「躁鬱」「がん」「糖尿病」「脳疾患」「神経疾患」など、精神不調はさまざまな病気を引き起こします。早め早めの対策が肝心です。
5つの特性毎に分類された五行学説を統合した、
陰陽五行論という自然哲学をベースにした考え方をもっています。
陰陽も五行も、互いが存在しなければ存在し得ない、
という関係にあり、例えば女性は陰・男性は陽の属性をもちますが、
どちらか片方だけでは成り立ちません。
五行では相生・相克の関係があり、もっと複雑に互いを影響し合います。水は木を育て、木は燃えて火を生み、火は土に還り、土からは金が生まれ、金は冷えて水を生む、という互いを生かす相生(そうしょう)の関係と、水は火を消し、火は金を溶かし、金(斧)は木を切り、木は土の養分を吸い取り、土は水をせき止める、という互いを克する相克(そうこく)の関係をもっています。
陰陽2元と5つの特性で自然界のすべては分類されています。
陰虚・陽盛・五季・五臓・五味・五情(感性)などなど、折に触れて少しづつ説明していきたいと思います。中医学には漢方薬の他、薬膳料理・あんま(ツボ)・鍼灸・気功が含まれます。
【薬食同源(やくしょくどうげん)】=「食べることは薬を飲むことと同じくらい大切」という意味ですが、坂重薬局ではお一人お一人にあった漢方薬を選ぶとともに、オススメの食べ物や日々の過ごし方のポイントもご案内しております。
食べ物にもそれぞれ特性(食性)があって、体内に余分な水分が溜まっている場合はトマト・なす・瓜などが良い食べ物となり、冷えのある方はトマト・なす・瓜は体を冷やす為、これらの食べ物は逆に避け、体を温める作用のある羊肉・ねぎ・にんにくなどが良い食べ物となります。老化予防には黒きくらげや黒豆・黒米といった黒い食べ物が良い、など、症状や体質にあった食べ物があります。
それぞれの方の体質や症状にあった食生活をする事も、心身のバランスを整えるには、漢方薬を飲むことと同じくらい大切な事です。
適切なご案内をして参ります。何でもお気軽にご相談ください。