睡眠時無呼吸症候群(SAS)
もしかして睡眠時無呼吸症候群(SAS)?
日中、眠くてしかたない・・・
仕事中ついうっかり眠ってしまった・・・
家族に「いびきがうるさい」と言われる・・・
自分のいびきで起きてしまった事がある・・・疲れがたまっている時、泥酔した時、一時的ないびきなら気にならないかも知れません。
しかし、慢性的ないびきの場合、それは睡眠時無呼吸症候群(SAS)かも知れません。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に何度も呼吸をとめてしまう病気で、いびきも睡眠時無呼吸症候群(SAS)の特徴のひとつです。
他には「しっかり寝たはずなのに熟睡感がない」「日中の眠気が強い」「頭痛」「集中力や記憶力の低下」といった症状があります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は「まあ大丈夫」と軽視していると、高血圧や心疾患、糖尿病、脳血管疾患を引き起こす可能性がある、といわれています。また、狭心症や虚血性心疾患、心不全、肺の機能が低下している方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を悪化させやすいということがわかっています。
いびきはどうして起こる?
「いびきは呼吸だ」とおっしゃる方もいますが、そのとおりです。
ただ、呼吸時に大きな音がする方はいません。大きな音のする呼吸がいびきなのですね。いびきの主な原因は、呼吸時に通る上気道が何らかの原因で狭くなり、空気抵抗が発生し、粘膜が振動して、大きな音になる、音が鳴る仕組みは管楽器と同じです。

なぜ上気道が狭くなるの?
気道が狭くなるといびきが発生します。気道が狭くなる原因は、● 顎が小さい
● 舌が大きい
● 首周りに脂肪がついている
● 扁桃腺炎、扁桃腺が大きい
● 鼻中隔湾曲症
(鼻中隔=鼻腔を左右に隔てる中央の仕切り、が曲がる症状)などがあります。
簡易検査とPSG検査
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査は、自宅で行える簡易検査から行うのが一般的です。
指と鼻にセンサーを取り付け、一晩睡眠し、鼻口気流、気管音、SpO2(血液中に含まれる酸素)、呼吸運動、体動、心電図などを記録するもので、記録した検査結果から診断する方法です。
簡易検査で問題なし、或は重症と診断された場合以外は、より詳細な状態を知る為に、PSG検査(ポリグラフィ検査)をします。
PSG検査では、睡眠中の低酸素状態や、脳波による覚醒状態、鼻口気流の途絶・再開、胸腹部の呼吸運動などを記録します。
眠気セルフチェック Epworth Sleepness Scale
座って読書している時
座って誰かと会話している時
テレビを見ている時
人がいる場所で座って何もしていない時(会議中や映画館)
何も支障がない状況で、日中、横になって休憩している時
車に同乗している時(1時間以上)
運転中の信号待ち、渋滞中
「眠くならない」0点
「まれに眠くなる」1点
「時々眠くなる」2点
「眠くなる」3点各項目毎にチェックをして合計が11点以上だと「眠気がかなり強い」ということになります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と漢方薬
鼻腔や咽頭の器官変形は外科的な対応が必要なものを除いて、花粉症やアレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患によるもの、ポリープ、蓄膿症、扁桃腺炎、肥満が原因のもの、その他不安などの心からくるものには、漢方薬で対応可能な場合もあります。
肥満・・・痰湿(たんしつ)
手足が重だるい、体が重い、水太り、むくみがある、痰が切れにくい、舌にべったりした苔がついている。
これらが痰湿(たんしつ)体質の特徴です。代表的な漢方薬には、瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)、温胆湯(うんたんとう)、勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)などがあります。
肥満・・・気虚(ききょ)
やる気がでない、疲れやすい、すぐ息切れする、声が細い、風邪をひきやすい、舌に歯痕がある。こうした症状のある人は、気虚(ききょ)体質かもしれません。
代表的な漢方薬には、衛益顆粒(えいえきかりゅう)、補中丸(ほちゅうがん)、麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)、西洋人参などがあります。
蓄膿症、扁桃腺炎
慢性的な鼻やのどの症状には、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)や鼻淵丸(びえんがん)が代表的な漢方薬です。
心の問題
鼻やのどの器官的な問題もなく、鼻やのどの疾患もなく、肥満でもなく、お酒も飲まない、でもいびきが大きい、通常の治療をしたがまったく改善しない、という方は、心のバランスを整えてあげると良いでしょう。心配事や不安な事があり、夢が多い、夜中に何度か目が覚める、そうした症状の方におすすめするのは、温胆湯(うんたんとう)または帰脾湯(きひとう)、心脾顆粒(しんぴかりゅう)です。また、歯ぎしりが多い、神経質な方へは抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)がおすすめになります。
血圧が高めで、ストレスフルな環境にいる方、責任感の強い方には、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)という漢方薬もあります。
お一人お一人にあった漢方薬をおすすめいたします。
お気軽にご相談にいらしてください。
関連記事
-
-
中医学的ダイエット
漢方でやせる!! 体重を一時的にただ落とすだけが目的の方はこのペー …
-
-
飲む目薬
目のピントが合わない、かすみ目、疲れ目・・・。 病院へ行っても「ゆっくり休んでく …
-
-
4人に1人が65歳以上
ここ数年、総務省は9月15日の敬老の日に、日本の高齢者人口の推計を発表しています …
-
-
肺炎予防に漢方薬
日本人の死因原因はがん、心疾患、次いで肺炎です。その95%は65歳以上です。(厚 …
-
-
微熱が続く時
「風邪かな?」と最初は思って、気が付いたらもう何日も微熱が続いている、という時、 …
-
-
血管の老化を防ぐ
健康な心身でいるためには、しなやかで強く働く血管、サラサラに流れる質の良い血液が …
-
-
多汗症
夏や暑い季節、運動をした時に汗をかくのとはまた違い、絶えず手の平や足の裏、または …
-
-
頭痛は漢方で!!
頭痛で悩んでいる人はたくさんいます。 病院に行って検査をしても、原因不明といわれ …
-
-
心臓弁膜症
心臓には「右心房」「右心室」「左心房」「左心室」という4つの部屋があり、「右心房 …
-
-
インフルエンザ最新情報!
夏の疲れや寒暖差で免疫力が落ちているところへ、冷たい北風・・・、今年は夏が長く、 …