甲状腺ホルモン
手が震える。
汗が止まらない。
のどが渇く。
疲労感、倦怠感がある。
脈が速い、脈が遅い。病院では、更年期障害か、うつ病ではないか、と診断されやすく、症状を訴えている本人が不安に思って血液検査を受けると発見される病気があります。
甲状腺ホルモンの病気です。甲状腺ホルモンの病気は大きく2つ、ホルモンの分泌量が過剰になるバセドウ病などの甲状腺機能亢進症と、分泌量が低下する橋本病などの甲状腺機能低下症があります。
機能亢進症 機能低下症 主な症状 ほてり、動悸、息切れ、イライラ、多汗、疲労感、倦怠感、月経不順、集中力の低下、体重減少、下痢、目が飛び出る、のどあたりが膨張する むくみ、食欲不振、冷え性、便秘、体重増加、もの忘れ、脱毛、疲労感、倦怠感、不眠、眠気、脈が遅い、のどあたりが膨張する 検査方法 血液検査(血液中の甲状腺ホルモン濃度など)、画像検査
甲状腺ホルモンの病気を発症しやすい年齢は、20代~40代くらい、厚生労働省発表の資料によると、女性が男性の5倍の発症率といわれています。
甲状腺ホルモンの役割 甲状腺ホルモンは食べものに含まれるヨード(ヨウ素)から合成されるホルモンで、全身の細胞の代謝をコントロールする働きをもっています。また、代謝時のエネルギーを利用して体温を調整したり、胎児や幼児が成長、発達するために必要不可欠なホルモンでもあります。
甲状腺ホルモンが過剰すぎると、脈が速くなったり、体温が上昇し、手の震えや多汗といった症状が表れます。逆に甲状腺ホルモンが低下しすぎると、脈が遅くなり、疲れや眠気が常にある状態、体が冷えてむくみ、肌や髪の乾燥、といった症状が表れるようになります。
甲状腺ホルモンは多すぎても少なすぎても良くなく、バランスが大事ということですね。

治療方法
甲状腺機能亢進症 バセドウ病などの甲状腺機能亢進症の場合は、抗甲状腺剤などの薬物治療、また手術による甲状腺摘出や放射性ヨード療法などがあります。
甲状腺機能低下症 橋本病などの甲状腺機能低下症の場合は、甲状腺ホルモン剤などの薬物治療が一般的です。

中医学の考えかた
中医学では、甲状腺機能亢進症は癭病(えいびょう)と呼ばれることもあります。気鬱化火、陰虚陽亢、気陰両虚と考えます。
旺盛すぎる生命エネルギー活動を落ち着かせる目的の漢方薬を用います。
休むことなく走り続けているのと同じなので疲れやすい、動悸、息切れ、多汗、イライラしやすい、興奮しやすい、情緒不安定、手指の震え、不眠などの症状は生命エネルギー過多によるもの、その方に合わせて活血や理気、温経、祛湿、補陰、平肝熄風(へいかんそくふう)などなどを組み合わせて対応します。
甲状腺機能低下症は脾陽虚、脾腎陽虚、陽虚水氾、気血両虚と考えます。
低下している生命エネルギー活動を補うための漢方薬を用います。
甲状腺機能亢進症とは反対の理由ですが、生命エネルギーがないので同じく疲れやすい、倦怠感、食欲低下、風邪をひきやすい、冷え性、顔が青白い、爪が割れる、髪がパサつく、動悸、息切れ、めまい、不眠、生理不順など、中医学で考えるとこれらの症状はつながっています。
原因を見極めて対応することが大切です。病院の治療との併用も可能です。
あなたに合った方法を一緒に考え、ご提案いたします。
お悩みの方はどうぞお気軽に薬草堂坂重薬局にご相談にいらしてください。

★漢方薬は医薬品です★
あなたの証に合っていないと改善しないばかりか、悪化する可能性もあります。
漢方薬を服用する際には、必ず、専門スタッフにご相談ください。

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