片頭痛
あたまの右側、あるいは左側が痛む、というように片側だけが痛むので「片頭痛」といいます。
片頭痛は、過労やストレス、寝すぎた時や寝不足の時、気圧の変化などのきっかけで起こることが多く、4~72時間ほど続く拍動性の頭痛で、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。また、動いたり、入浴するタイミングで痛みが強くなったり、普段は気にならない光や音に敏感になることもあります。
なかには、片頭痛の前兆で、閃輝暗点(せんきあんてん)といって、突然稲妻のようなキラキラした光、ギザギザした光をみる方もいらっしゃいます。

脳内の神経伝達物質のひとつで、ノルアドレナリンを制御して精神を安定させるセロトニンは幸せホルモンとも呼ばれていて、血管の拡張を防ぐという特徴があります。
何かの原因で脳血管にセロトニンが大量に放出された時に、血管が収縮して血液量が低下、閃輝暗点(せんきあんてん)というギザギザした光がみえる症状が表れます。
そのあとに、セロトニン減少 → 血管が拡張 → 頭痛、という流れになります。
比較的、10代20代に多いのですが、40代以降で、閃輝暗点(せんきあんてん)だけでそのあと頭痛が起こらない、という場合は他の病気の可能性もあるので、注意が必要です。
閃輝暗点(せんきあんてん)→ 片頭痛は、過労やストレス、寝すぎや寝不足、気圧の変化、女性ホルモンの変化など、いろいろと要因はあるのですが、はっきりとした原因はわかっておらず、原因不明とされています。
耐え難い痛みや吐き気、嘔吐、生あくび、イライラ、むくみなど、日常生活に大きな影響を及ぼしやすいので、しっかりと治していきましょう。

片頭痛、あなたにあった漢方で
病院では、血液検査や頭部CTやMRIなどで脳腫瘍、脳血管疾患など他の病気の可能性を調べることもあります。
特に何もなければ、解熱鎮痛薬や痛み止め、トリプタン系薬剤などで対処することが多いと思います。
漢方では、あなたの症状や体質、環境などに合わせて、お薬をお選びしていきます。
血液の流れが滞っている場合は活血薬を、気の流れが滞っている場合は理気薬を、女性ホルモンのバランスを整える漢方薬やオリエンタルハーブもあります。また、複数の要因が重なっている場合も対応できます。
証にあった漢方薬を服用し、生活習慣、食生活を改善することで根治された方も多くいらっしゃいますので、安心してご相談にいらしてください。
症例
【40代 女性】
・あたまの右側の決まったところだけがズキズキと痛い
・痛む時間帯は決まっていないが、痛くなると半日くらい痛みが続く
・毎回ではないが吐き気がおこる時もあり、たまに嘔吐してしまう
・慢性的な肩こりがある
・生理周期がずれることがある
・イライラしやすいが我慢することが多い
・つかれやすい
・ため息が多いこの方は普段から睡眠時間も短く、がんばりやさんの印象でした。
顔色が暗く、本当につらそうで、もう何十年も片頭痛と付き合っているそうで、今までは鎮痛剤で対処していたそうなのですが、痛みが治まる時と治まらない時もあるそうです。念のため、病院で検査もされたそうですが特に他の病気は見つからなく、漢方が良いと聞いたので、ということで来店されました。
肝の機能を助け肝血のめぐりを良くするもの、気血のめぐりを良くするもの、をおすすめし、また、夜のテレビやスマホはやめて、眠れなくても夜の10時半にはベッドに入る習慣をつけるようにし、量は少なくて良いので朝食を摂るようにし、意識してなるべく歩く動く、冷たいものや生ものは控えていただくようお伝えしました。
漢方薬を服用して1か月後に「なんとなく楽になった」とのことで、組み合わせを変えて3ヵ月後に「だいぶ楽になった」とのこと、半年が経過する頃には本当に顔色も明るくなりました。
「今まで長いこと悩んでいたのがウソみたい」
「もっと早く相談すれば良かった」
とおっしゃっていただけました。ご相談いただけて、本当に良かったです。
痛みを一時的に回避するのではなく、痛みを引き起こす原因に根本から対処し、痛みのない楽しい毎日を目指しましょう! お気軽に、是非、一度ご相談にいらしてください。

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