春の七草粥
正月七日といえば、春の七草粥ですね。
今はスーパーなどで『七草粥セット』が販売されており、購入しやすくなっています。
春の七草は、セリ・ナズナ・オギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロです。
今年一年の無病息災を願って、また、食べ過ぎ飲み過ぎた正月の胃腸を休ませる意味でも理にかなっています。
セリ(芹)セリ科の多年草、別名シロネグサ(白根草)。
「競り勝つ」
ビタミンC、ミネラル、βカロテンが豊富で、香り成分のオイゲノ―ルには鎮静効果が、ピラジンには血栓予防や肝機能を整える作用があります。
生薬名は水芹(すいきん)といい、セリの茎や葉を乾燥させたもので、食欲不振やリューマチなどに用いられます。
ナズナ(薺)アブラナ科ナズナ属の越年草、別名ぺんぺん草。
「撫でて汚れを除く」
ビタミン、ミネラル、カルシウム、βカロテンが豊富で、認知症予防に注目されているコリン、血中の悪玉コレステロールを低下させるサポニン、また、ルチン、へスぺリジンといったフラボノイド類を含有しています。
生薬名はナズナ、または薺菜(せいさい)といい、主に利尿・止血・明目・降圧等の目的で用いられます。
オギョウ(御形)キク科ハハコグサ属の越年草、別名ハハコグサ(母子草)。
「仏体」
生薬名は鼠麹草(そきくそう)、鎮咳・去痰の目的で用いられます。
ハコベラ(繁縷)ナデシコ科ハコベ属の越年草、別名ハコベ、コハコベ。
「反映がはびこる」
止血作用、抗菌作用、鎮痛作用、解毒作用などがあるとされ、生薬名は繁縷(はんろう)といいますが、民間では胃炎、産後の催乳、むくみ等に用いていたようです。水洗い後、一週間ほど天日乾燥してすりつぶした粉末に塩を加えた「ハコベ塩」は現代でも歯槽膿漏や歯肉炎、口内炎の歯磨きとして人気です。
ホトケノザ(仏の座)キク科の越年草コオニタビラコを指す。
「仏の安座」
生薬名は黄鵪菜(オウアンサイ)といい、解熱、解毒、消腫、止痛作用があるとされ、乳腺炎、薬疹や食中毒による感冒、リウマチ性の関節炎、アレルギー性の喘息等に用いられます。
スズナ(菘)アブラナ科アブラナ属の越年草、別名カブ。
「神を呼ぶ鈴」
小かぶ、赤かぶ、聖護院かぶなど、品種は非常に多く、ビタミン類や整腸効果のある消化酵素のアミラーゼ、カルシウム、カリウム、また葉にはβカロテンが豊富に含まれており、風邪の予防や疲労回復、肌荒れなどにおすすめです。
蕪の根と葉は蕪菁(ぶせい)、種子は蕪菁子(ぶせいし)、花は蕪菁花(ぶせいか)という生薬になります。益気、肝の働きを助け明目、の目的で用います。
スズシロ(蘿蔔)アブラナ科ダイコン属の越年草、別名ダイコン。
「汚れのない清白」
日本では白が一般的ですが、海外では黒いダイコンや芯まで赤いダイコンなど大きさ・品種が様々にあります。
根は淡色野菜で、ビタミンC、胃腸の機能を高めるでんぷん分解酵素アミラーゼを多く含みます。辛み成分のラファサチンには発がん抑制作用や抗菌作用の他、健胃作用があるといわれていますね。葉は緑黄色野菜になり、ビタミンC、ビタミンK、カリウム、カルシウム、βカロテンをたくさん含んでいます。
大根の成熟種子は萊菔子(らいふくし)という生薬になります。下痢、消化不良、咳嗽、去痰といった際に用います。
正月七日に春の七草粥を頂く風習は奈良時代からと言われています。江戸時代、江戸幕府が五節句のひとつ「人日の節句」に定めてからより一般的になったようです。
昔はセリ・ナズナ・オギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ、いずれも水田や畑の近く、または道端などに自生している野生のものを見つけられたそうです。
薬食同源、良き風習を親から子へ、子から孫へ、と受け継いでいきたいですね。
作り方は簡単!
お鍋にごはんと水(ごはん一膳に対し水180cc)を合わせ、細かく刻んだ七草を加え、軽く煮て塩で味を調えます。美味しくて胃腸にやさしい七草粥、是非作ってみてくださいね♪
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