機能性不妊症と周期法
不妊症は大別すると、卵管や子宮に障害のある器質性不妊、精子に対する抗体などが問題となる免疫不妊、検査で明らかにならない原因不明の機能性不妊の3つに分けられています。
器質性不妊 卵管通過障害
不妊原因のおよそ3割を占めます。卵管留水症、留膿症等による卵管の閉塞、クラミジア、子宮内膜症の癒着によるものなどにより、卵子をうまく運べず受精できません。排卵障害
不妊原因のおよそ1割が排卵障害といわれています。若い女性では2~3割の方にみられるのは不適切なダイエットの影響によるものと考えられています。卵子が育たないか、単純に排卵がおこらないかのどちらかです。月経周期が2~3ヶ月に1回という場合や、不正出血が断続的に続いている為どれが月経かわからない、といった場合は排卵障害の可能性があります。代表的な疾患には、高プロラクチン血症、視床下部性排卵障害、多嚢胞卵巣症候群(PCOS)などがあります。
子宮内腔癒着
子宮内腔の掻爬手術(人工中絶やポリープ手術)や、子宮内腔の細菌感染、炎症などによる子宮内腔癒着は受精卵が着床しない不妊原因となります。アッシャーマン症候群とも呼ばれています。
免疫不妊 抗精子抗体、つまり女性の体が男性の精子を病原菌やウイルスと同じと判断し攻撃してしまうことです。また、男性が自身の精子を敵とみなして攻撃・自滅するというパターンもあります。不妊女性、不妊男性それぞれのおよそ3%に抗精子抗体がみられています。
機能性不妊症 不妊でお悩みの方の実に4割~5割の方が原因不明といわれています。
基本的な検査で異常が認められず妊娠が成立しないと機能性不妊症と診断されます。更に精密検査でも異常が見受けられないものを原因不明不妊と診断されます。
しかし妊娠を望んでいるのに妊娠が成立しないということには必ず何か原因がある、と考えるのが中医学です。
機能性不妊症と周期法
不妊症で原因不明といわれる機能性不妊症は特に周期法との相性が良いと考えられます。
その方の状況によっては、周期法にすぐ入ることが難しい場合もあり、その場合は、まず大きな問題を解決してから、周期法を適応していきます。
周期法とは、下図の月経期・卵胞期~排卵期・黄体期、の期の変化に合わせ、漢方薬を飲み分ける方法です。
もちろん、病院の不妊症治療との併用も可能ですので、詳しくはご相談の際にお話しさせて頂ければと思います。
ひとりひとりの体の状態に合わせた形で周期調節の方針・漢方薬を組み立て、生活習慣の改善ポイントと食養生のご案内も差し上げております。
しっかりと寄り添って全力でサポートさせて頂きますので、お気軽にご来店ください。ご予約お待ちしております。
妊活中におすすめの食べもの
血を養う
レバー・烏骨鶏・ほうれん草・人参・葡萄・ライチ・いちご・枸杞子・なつめ・プルーン・当帰・黒ゴマ・黒豆・小豆など
気を補う
牛肉・うなぎ・山芋・ねぎ・栗・もち米・きのこ類・かぼちゃ・大豆・枝豆・らっきょう・山椒・シナモン・朝鮮人参・緑茶など食事は命をつなぐもの。
一食になるべくたくさんの食材を使い、加熱して、温かい状態で美味しくいただきましょう。
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