夏の漢方!
高温多湿の日本の夏は、暑いこと、そしてジメジメムシムシすること、が特徴ですね。
2016年、今年の夏は平年より猛暑になると予想されています。雨が少なく水不足も懸念されています。そんな夏を元気に過ごすためのポイントをご紹介いたします!
夏は心!
中医学の基礎理論五行論では、夏は火に属し、関連する臓は心、腑は小腸です。「夏は生長の季節、天地の気が盛んに交流し陽気が旺盛なので万物が咲き栄える、人も暑さを厭うことなく、体内の陽気をほどよく発散させ、怒らずに、気持ちよく過ごすべきである」【黄帝内経~四気調神大論~より】
暑いからといって、クーラーが効いた部屋にばかりいず、外へ出て適度に汗をかき、陽気を発散させないと、心気が痛み、病気になる、ということになります。
陽気をうまく発散できないと、熱は体内にこもり、体全体があつくなりますので冷たい飲食をしたくなりますが、キンキンに冷えた飲食物や生ものは胃腸を冷やすだけで体の熱を冷やしてはくれません。熱をとり、更に発汗などで失われた水分補給をしてくれるキュウリやトマト、ナス、スイカといった夏野菜を積極的に食べると良いでしょう。
元気を補う補気薬(ほきやく)、麦味参顆粒
夏バテ予防や夏疲れにおすすめの漢方薬といえば、麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)です。
構成生薬の人参(にんじん)・麦門冬(ばくもんどう)・五味子(ごみし)から一文字づつとって、麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)と名付けられました。
人参(にんじん)
病後や夏バテで体力が低下している時、疲労感が強い時には人参がよくつかわれます。生薬の人参は草丈60cmのウコギ科の多年草、元気を補う補気薬(ほきやく)としてポピュラーで、元気を補うほかにも、胃腸の働きを良くしてくれ、津液(しんえき:体内の水分)を作り、高ぶった神経も鎮めてくれます。【性味(性質と味)】 微温・甘・微苦
【帰経】 心・肺・脾
【薬効】 大補元気・補脾益肺・生津・安神麦門冬(ばくもんどう)
ユリ科の多年草、麦門冬は、熱くなった体を潤したり、乾いた呼吸器を潤してくれます。また焦燥感のある不安や不眠を和らげてくれます。【性味(性質と味)】 微寒・甘・微苦
【帰経】 心・肺・胃
【薬効】 養陰潤肺・益胃生津・清心除煩五味子(ごみし)
モクレン科の落葉低木のつる植物である五味子(ごみし)は、酸・苦・甘・辛・鹹(かん)、五つの味をもつ生薬です。発汗など過剰な水分の排出をおさえてくれます。【性味(性質と味)】 温・酸・甘
【帰経】 肺・心・腎
【薬効】 斂肺滋腎・生津斂汗・渋精止瀉・寧心安神
香西洋参(しゃんせいようじん)もおススメ!
元気と水分を補い、また、体の熱を冷ます性質のある西洋人参も、暑い夏におすすめの生薬です。
香西洋参(しゃんせいようじん)は、西洋人参エキス末に特有の香りを生かすために西洋人参微粉末を加えたものです。
夏は胃腸に冷たくしないで!
夏バテの原因は、冷たいものを多飲多食することで胃腸を冷やしてしまうことがあげられます。
胃腸は気を発生させる臓なので、胃腸を冷やし胃腸の機能を低下させてしまうと、気を作ることができなくなり、元気がなくなっていきます。
また、発汗によっても気は失われていきますので、元気はどんどんなくなり気陰両虚の状態となり、息切れ、のどの渇き、手足のほてりといった症状も表れてきます。
冷たいもの、生ものの飲食を控える
早朝や夕方など涼しい時間帯に散歩し、適度に汗をかく
クーラーをつけっぱなしにせず、部屋中の換気をこまめにする
寝すぎない上記のような養生を心がけ、この夏の漢方!麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)や香西洋参(しゃんせいようじん)を是非お役立ていただき、夏バテ知らず!!になってくださいね(^^)
熱を冷まし水分を補ってくれる食べ物
スイカ、瓜、ゴーヤー、ハト麦、セリ、レタスなど。気を補う食べ物
うなぎ、海老、イカ、鯉、ユリ根、紫蘇、なつめ、ハスの実、菊花など。血の流れをサラサラにする食べ物
マイワシ・アジ・玉ねぎ・ししとう・らっきょう・ほうれん草・トマト・紫蘇など。
※漢方薬は医薬品です。あなたにピッタリのお薬をお選びいたします。服用の際は必ず薬草堂坂重薬局へご相談ください。
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