大人のアレルギー
アレルギーというと、花粉症やアトピー性皮膚炎、喘息、アナフィラキシー、など、様々な言葉が思い浮かびますね。
では「アレルギー」とは何でしょうか。
わたしたちの身体にはウイルスや細菌などから身体を守る免疫というチカラが備わっています。何らかの原因で、この免疫機能が、本来、身体にとって有害ではないものにまで過剰に反応してしまうことをアレルギー反応といいます。
アレルギーの原因物質を「アレルゲン」といいます。アレルゲンには、動物表皮、樹木花粉、植物花粉、ダニ、ハウスダスト、真菌、寄生虫など多くのものがありますが、食べものでは、0歳児のアレルゲンには鶏卵や牛乳、魚卵(特にいくら)などが多く、大人のアレルゲンには甲殻類、小麦、魚類が上位に挙げられます。
0歳 | 1~2歳 | 3~6歳 | 7~17歳 | 18歳以上 | |
1位 | 鶏卵 | 鶏卵 | 木の実類 | 果物類 | 甲殻類 |
2位 | 牛乳 | 魚卵類 | 魚卵類 | 甲殻類 | 小麦 |
3位 | 小麦 | 木の実類 | 落花生 | 木の実類 | 魚類 |
4位 | 牛乳 | 果物類 | 小麦 | 果物類 | |
5位 | 果物類 | 鶏卵 | 鶏卵 | 大豆 |
アレルギーマーチ
例えば乳幼児の時期にアトピー性皮膚炎を発症した方が、成長するにつれて、アレルギー性鼻炎、喘息、食物アレルギーなど、様々なアレルギー症状を出現させていくことをアレルギーマーチといいます。
ここ数年、アレルギー疾患発症が増える傾向にあり、なるべく早めの時期からアレルギー疾患の発症を改善、予防することが重要だと認識されています。
大切なのは、乳幼児~子どもの頃からのケアと必要以上のアレルゲンの除去をしない、ということです。例えば、国立成育医療研究センターから2017年に発表された研究結果では、「アトピー性皮膚炎のある乳児に対しその湿疹をしっかり治療しながら加熱鶏卵を少量ずつ経口摂取させることで、卵アレルギーの発症を減少させることができる」といった報告があります。
ただし、この減感作療法は大人アレルギーにはうまくいきにくいともいわれています。
アレルギーマーチを起こさない、大人のアレルギーの予防と対策は、まず現在の状況をよく理解するところからはじまります。
アレルギー検査
血中抗原特異的IgE抗体検査 アレルゲンごとの血液中の「IgE抗体」の量を測る検査です。「IgE抗体」の値が高い項目は、その食物を摂取したりそのものに接触した時に症状が出る可能性がありますが、値が高いからといって必ずしも症状が出るわけではありません。例えば普通に牛乳を飲んでいた方でも検査したら牛乳の値が高い、といった結果がでる場合もあります。
※ View39、MAST36、MAST48mixなどがあります。それぞれ検査項目が違いますので、気になる内容が入っている検査が良いでしょう。(下記参照)
※ 血中抗原特異的IgE抗体検査はスクリーニング検査です。アレルギー診断や臨床経過の評価に用いることは推奨されていません。
※ 検査結果は絶対ではありません。View39
ヤケヒョウダニ、ハウスダスト、ネコ皮屑、イヌ皮屑、ガ、ゴキブリ、スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、アルテルナリア(ススカビ)、アスペルギルス(コウジカビ)、カンジダ、マラセチア、ラテックス、卵白、オボムコイド、牛乳、小麦、ピーナッツ、大豆、ソバ、ゴマ、米、エビ、カニ、キウイ、リンゴ、バナナ、マグロ、サケ、サバ、牛肉、鶏肉、豚肉、オオアワガエリ(イネ科植物)MAST36
牛乳、小麦、卵白、オボムコイド、ゴマ、ソバ、大豆、米、ピーナッツ、マグロ、サケ、エビ、カニ、豚肉、牛肉、鶏肉、トマト、桃、キウイ、バナナ、スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、ヨモギ、オオアワガエリ、カモガヤ、ブタクサ、オオブタクサ、ハウスダスト、アスペルギルス、カンジダ、ラテックス、コナヒョウダニ、イヌ皮屑、ネコ皮屑、アルテルナリア(ススカビ)MAST48mix
牛乳、小麦、卵白、オボムコイド、ゴマ、ソバ、大豆、米、ピーナッツ、サバ、マグロ、サケ、エビ、カニ、豚肉、牛肉、鶏肉、トマト、桃、キウイ、バナナ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、クルミ、スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、ヨモギ、オオアワガエリ、カモガヤ、ナガハグサ、ハルガヤ、ギョウギシバ、ブタクサ、オオブタクサ、ブタクサモドキ、ハウスダスト、アスペルギルス、カンジダ、ラテックス、コナヒョウダニ、ヤケヒョウダニ、イヌ皮屑、ネコ皮屑、アルテルナリア(ススカビ)、ペニシリウム、クラドスポリウムイムノキャップ
特定のアレルゲンの特異的IgE抗体を調べることができます。プロバビリティカーブといって症状誘発の可能性を計算することができますが、こちらもあくまで確率論になります。
プリックテスト 蕁麻疹や口腔アレルギー症候群、アナフィラキシーショックなどの即時型アレルギーの原因を特定するための皮膚テストです。主に乳幼児や小児で行います。検査時に体内に入るアレルゲンが少ないため、比較的安全に行うことができるといわれています。
食物経口負荷試験 アレルゲン特定のため、またはアレルゲン除去の解除のために行う試験です。
重篤な症状や発作が起きた場合にも対応できる設備の整った医療機関で行います。アレルゲン食物を少しずつ、時間をかけて食べて症状の有無を確認していきます。※ 食物経口負荷試験を自宅で行うのは危険なので必ず医療機関で受けてください。
中医学の考えかた
気には、元気(原動力)・宗気(酸素や血を体中に巡らす)・営気(身体を栄養する)・衛気(外邪から防御する)の4つがありますが、このうち免疫機能を担う気が体表をくまなく巡っている衛気(えき)です。
衛気(えき)が足りない場合は、食生活や生活習慣を見直していくと同時に、補気作用のある漢方薬を用いて補っていきます。また、実は他にもアレルギー要因があった、という場合も少なくありません。その場合も貴方だけにあった最適な改善方法をご提案いたします。
病院の治療との併用も可能です。
おひとりおひとりの状況や症状によって、対応方法が異なりますので、お電話にてご予約のうえお気軽にご来店ください。
★漢方薬は医薬品です★
あなたの証に合っていないと改善しないばかりか、悪化する可能性もあります。
漢方薬を服用する際には、必ず、専門スタッフにご相談ください。
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