フーナーテストでわかる子宮頸管の精子通過障害
不妊の原因には、排卵障害や卵管障害、精子の異常などがありますが、そのひとつに子宮頸管の精子通過障害といった問題もあります。
子宮頸管の精子通過障害かどうかは、フーナーテスト(ヒューナーテスト)でわかります。
排卵日前に性交をしていただき、奥様が3時間~12時間後に受診します。頸管粘液を採取し顕微鏡で精子が元気に動いているかどうかをみます。フーナーテスト(ヒューナーテスト)では、精子の数や運動率、また頸管粘液の粘度や酸性度合、抗精子抗体が精子にくっついているかどうか、がわかります。
この検査は「たまたま悪い結果がでる」ということもあるので、何回か受けることもあります。また或いは医師によっては再現性が低い(同じ結果が出にくい)などの理由でフーナーテストをおすすめしない場合もあるようです。1回1回にお金がかかることでもありますし、よく考えて理解したうえで検査を受けると良いでしょう。
尚、抗精子抗体の有無だけを調べるのであれば女性の場合、血液検査もあります。
一般的にはフーナーテスト(ヒューナーテスト)の結果が悪く、精子異常が認められない場合などに抗精子抗体検査(血液検査)が行われます。男性の抗精子抗体検査では精子を調べます。抗精子抗体が精子の20%以上にくっついていれば陽性と判断されます。

さて、では実際にどうやら精子通過障害があるとわかった場合です。
子宮頸管の精子通過障害には「子宮頸管粘液状態が良くない場合」と「抗精子抗体がある場合」の2つのケースがあります。
子宮頸管粘液状態が良くない場合
排卵にあわせて分泌が活発になる頸管粘液が精子を通しやすくしてくれます。
子宮頸管粘液が分泌されない、子宮頸管粘液の粘度が高い、子宮頸管粘液が酸性すぎると精子がスムーズに通れない、または死滅しやすい環境になります。
抗精子抗体がある場合
女性の体が精子を異物と認めて、精子の活動を制限してしまう現象です。
精子は確かに異物ですが、通常抗体反応は起きません。しかし、何らかのきっかけで異物判定されてしまった精子は、抗精子抗体によって動けなくなります。尚、男性にも抗精子抗体が作られてしまうことがあります。過去に外傷や炎症、パイプカットなどを経験された方にみられ、自分の抗精子抗体によって精子の活動能力が制限されてしまいます。
女性の場合も男性の場合も抗精子抗体がなぜ作られてしまうのか、原因は不明です。
子宮頚管に問題があっても妊娠できるの?
「子宮頸管粘液状態が良くない場合」ではキチンと対応すれば自然妊娠が可能なこともあります。頸管粘液はエストロゲン(卵胞ホルモン)の影響によって作用していますので、ホルモンバランスの乱れは強くひびきます。
食生活や生活習慣などの見直しで改善できることもあります。「抗精子抗体がある場合」は、頸管粘液というバリアをスキップして精子と卵子が出逢わなくては受精できない、つまり、顕微授精や体外受精といった方法であれば妊娠できる可能性が上がるということです。
つまり、子宮頸管に問題があっても妊娠できる可能性はあります。
いずれの場合も、漢方薬は力強い味方になってくれます。病院での不妊治療と漢方薬は併用できます。お気軽にご相談ください。
中医学で考える子宮頸管の問題
中医学では人を構成するものを「気・血・津液(き・けつ・しんえき)」と考えています。
子宮頸管粘液は「津液(しんえき)」にあたりますが、精神活動の影響を強く受けるホルモンバランスの調和は「気」と「血」の働きによるものです。
「気・血・津液(き・けつ・しんえき)」の流れがスムーズで、互いにバランスをとっていれば健康で元気な赤ちゃんを育む環境が整っているということになります。
薬草堂坂重薬局では、あなたの「気・血・津液(き・けつ・しんえき)」のどこに過不足があるのか、スムーズに流れているのかどうか、を見極め、最適な方法をご提案差し上げます。
心身のトータルバランスを整えて、元気で健康な毎日を一緒に目指していきましょう!!そして可愛い赤ちゃんを私たちも望んでいます。一緒に歩んでいきませんか?

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