卵巣年齢を知る
女性の卵巣は、もともとたくさんの原始卵胞をもっています。
原始卵胞はわずか0.03mm、生理周期以外はほとんど休眠していて、原始卵胞から一次卵胞 → 二次卵胞 → 初期胞状卵胞 → 後期胞状卵胞 → 成熟卵胞、といった過程を経て成長していきます。
FSH(卵胞刺激ホルモン)とAMH(抗ミュラー管ホルモン)
初潮を迎えると、卵巣を刺激して卵胞を成熟させるために脳からFSH(卵胞刺激ホルモン)というホルモンが分泌されます。
このFSH(卵胞刺激ホルモン)に一番早く反応した原始卵胞から成長をはじめ、約375日かけて卵胞形成を行います。
原始卵胞が活性化しはじめると、卵胞からこんどはAMH(抗ミュラー管ホルモン)が分泌されます。
FSH(卵胞刺激ホルモン)は、卵巣機能が低下してくると値が増加しますが、生理周期の影響も受けやすく、卵巣年齢の指標としては正確性に欠けます。
AMH(抗ミュラー管ホルモン)は、卵巣機能が低下すると値が減少します。生理周期でも値の変動が少なく、値が低いと卵胞が少ないということ、値が高いとこれから育つ卵胞がまだたくさんあるということ、を知ることが出来、よって卵巣年齢を推測できるというものです。
卵胞形成の流れ
【1】原始卵胞
直径はわずか0.03ミリ、顆粒層細胞は平たい一層。
生誕後の女性で約200万個もっている原始卵胞は、年齢とともに減少し、初潮時には3~5万個、30代で5000~8000個、閉経時にはほぼ死滅するといわれています。【2】一次卵胞
直径0.1ミリの分裂細胞、卵胞膜の形成がはじまり、この時期から初期胞状卵胞まで約25日を要します。
【3】二次卵胞
直径0.2ミリの多層の顆粒層細胞、内・外卵胞膜の形成。この時期まではFSH(卵胞刺激ホルモン)に関係なく発育していきます。
【4】初期胞状卵胞
直径0.2ミリ~5ミリの胞状卵胞、FSH(卵胞刺激ホルモン)の影響を受けて成長をしていきます。「選択される可能性のある卵胞」とも呼ばれます。
【5】後期胞状卵胞
この時点で5~7つのclass5の卵胞が選ばれ、互いに競争をした結果、たったひとつだけが主席卵胞として排卵に向けて成長をしていきます。 主席卵胞は自らエストロゲン(卵胞ホルモン)を分泌しはじめ、エストロゲンはFSHを抑制する働きがあるため、主席以外の卵胞は死滅に向かいます。
【6】成熟卵胞
排卵に向けて一気に直径20ミリに成長をします。
卵巣年齢と実年齢は等しくない
このように、原始卵胞から排卵するための成熟卵胞に成長する過程で、多くの卵胞が犠牲になっていることがわかります。例えば、AMH(抗ミュラー管ホルモン)の検査では、あなたの卵巣に残っている卵胞の数や質を推測することができます。
卵巣年齢は実年齢とは関係のないものです。例えば実年齢は22歳だけど、卵巣年齢が30歳、とわかった時はどうでしょう・・・?
加齢に伴い、妊娠しにくくなる、というのは現実です。
タイミング法や人口受精、体外受精の場合でもAMH(抗ミュラー管ホルモン)値が低い、つまり卵胞がうまく育たなければお話にならないということも多々あります。AMH(抗ミュラー管ホルモン)が高い場合は、排卵誘発法を調整する必要もでてきます。但し、AMH(抗ミュラー管ホルモン)値がゼロでも妊娠されたり出産されたりした事例はございます。また、FSH(卵胞刺激ホルモン)値は上昇してきたときにはすでに手遅れといったこともあります。
FSH(卵胞刺激ホルモン)や、AMH(抗ミュラー管ホルモン)の検査値により、卵巣年齢を知っておくということは、自分自身の卵巣の状態を知り、そしてリスクを下げ、効率よく対応をすすめるのに役立ちます。
中医学(中国漢方)では、生殖や成長に重要な役割を担う腎(じん)を補うと同時に、女性のバイオリズムに合わせて適切な対応をしていきます。
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