アトピー性皮ふ炎
皮膚は内臓の鏡
アトピー性皮膚炎は、アトピー素因(遺伝的・体質的な素因)と、生活環境や精神的ストレスが複雑に係わり合い、良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら慢性化していく皮膚疾患です。発症のメカニズムが解明されていない、痒みを伴うので皮膚炎症を悪化させやすい、また之といった治療方法が確立されていない為、しばしば難治性の皮膚疾患とされてきました。
中医学では皮膚は内臓の鏡といって、皮膚に表れる症状の原因は内部にもある、と考えます。
ですので、実際には皮膚表面に表れている症状を緩和していきながら、体の中にある根本的な問題を解決していく方法を講じます。
素因
❈ アレルギー体質
❈ 皮膚過敏性
外的要因
❈ ダニ、カビ、ハウスダスト
❈ 花粉、日光(紫外線)、乾燥
❈ 汗
❈ ストレス、疲労アトピー性皮膚炎は、もともとアレルギーをお持ちの方や皮膚過敏性の方に、外的要因が加わることによって症状が悪化します。
中医学では、体表面は衛気(えき)という免疫やバリア機能のある気によって守られていると考えます。衛気が弱まると、外からの刺激を直接受けてしまうばかりか、外邪が容易に体に侵入できてしまうため、様々な症状となって表れ、やがて病気になると考えます。痒みという症状があると、皮膚組織を自ら壊してしまったり、またストレスにより悪影響を及ぼしますから、まずは現在表れている症状の緩和に対応しつつ、体の内側から体表面の守りを正常化していきます。
アトピーの方の生活養生法
アトピー性皮膚炎で最も難題が「かゆみ」です。
かゆい → ひっかく → 悪化する → ますますかゆくなる → ストレスが溜まる → もっとかゆくなる・・・といった悪循環を断ち切る為に、かゆみやひっかき行動を早くコントロールする事が最優先事項です。衣類の素材は綿がベスト!
洗剤は少なめに使用し、洗剤残りがないように。
体を冷やす冷たいもの・生ものの飲食は厳禁。
清涼飲料水(糖は体を冷やします)・ビールは控える!
加熱した温かい食事を心がける。根菜中心がおすすめ!
換気をよくし、エアコンに頼らない生活を心がける!
お肌は洗い過ぎない!長時間の入浴も皮脂膜を落とします。
辛いもの、甘いもの、刺激のあるものは飲食しない。
ストレス・疲労の蓄積に注意する。
趣味をもったりして上手に発散するよう心がける。
無菌状態の赤ちゃん
体の中では乳製品や大豆食品が原因というパターンが多い子どものアトピー。アレルギー検査は大切ですが、変化が早いのも子どもの特徴です。定期的に検査をするとよくわかります。
肌表面ですが、角質層には常在菌といって多種の菌が住みついています。常在菌は他の菌を追い返しているので、いわば外敵から肌を守るバリアとなってくれています。
赤ちゃんは無菌状態で生まれてきます。小さい子にとびひが多いのは皮膚に常在菌がまだ少なく、黄色ブドウ菌が繁殖しやすいためです。人間は少しづつ常在菌を育てて皮膚表面を丈夫にしていきます。
大腸菌などの雑菌がついた手で触らないようにする事も大事ですが、必要な菌まで殺してしまわないように心がけましょう。
お肌の状態にもよりますが、大人の手は清潔にして、子ども自身には消毒液などを使わないようにする、といった方法が考えられます。
詳しいケア方法は坂重薬局の専門スタッフにお気軽にご相談ください。
関連記事
-
多汗症
夏や暑い季節、運動をした時に汗をかくのとはまた違い、絶えず手の平や足の裏、または …
-
慢性・急性じんま疹
アレルギー=免疫システム 私たちの体には、外から侵入してくる細菌やウイルスなどの …
-
アトピー性皮膚炎とステロイド外用薬
難治といわれるアトピー性皮膚炎も、正しい処置を行えば、症状を緩和し、完治すること …
-
夏の皮膚トラブル
日本の夏は高温多湿、更に節電・省エネが必須である昨今では、あまり涼しい顔をしては …
-
春から夏のトラブル肌に悩まない
三寒四温でだんだんと暖かくなる季節、春から夏にかけてはお肌がゆらぎやすい季節とも …
-
あせも
痒くて痒くてついかきこわしてしまうあせも。 あせもは汗腺のつまりが原因で発汗でき …
-
美肌のつくりかた
お肌は何でできている? もっと美しくなりたい・・・100年前も1000年前もずっ …
-
デルマドローム~皮膚に表れる内臓からのサイン~
デルマドローム(Dermadrome)とは、皮膚病学を意味する「dermatol …
-
りんご病(伝染性紅斑)
りんご病とは、伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)のことで、ヒトパルボウイルスB1 …
-
皮膚常在菌と仲良くしよう
夏は、汗でべたべたしたお肌をスッキリ洗い流したい!ついつい洗いすぎてしまう傾向に …
- PREV
- 何色ですか?あなたの風邪
- NEXT
- 思春期にきびと大人にきび