子宮内膜症
今まで原因不明とされてきた不妊には子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)によるものが多く見られます。
子宮内膜症は、子宮内膜という組織が、正常な位置である子宮腔の内面以外の場所(子宮筋層・卵管・卵巣・その周囲など)に出来てしまい、子宮内腔外でも出血したり、かたまりを作ったりして、それが破裂したり癒着を起こしたりするものです。
子宮内膜症は、最近では20代~40代の方に増えており、生理のある女性の10人に1人がかかっているといわれており、不妊の大きな原因になっています。
症状としては、
激しい生理痛
腰痛
生理時の排便痛
性交痛
下腹痛
などがあります。また、生理の期間が長く、経血量も多いです。
子宮内膜症は簡易検査ではわかりにくく、安易な排卵誘発剤や黄体ホルモン剤使用で悪化、複雑化させるケースも多いのです。腹腔鏡(ふくくうきょう)やMRI(磁気共鳴画像診断装置)などの検査が必要とされます。
漢方の最大の利点は、生理サイクルを正常に保ちながら治療できるという点にあります。
つまり、無理に排卵を抑え、生理を止めたりしません。
子宮内膜症の診断
子宮内膜症の診断方法には、一般的には内診・血液検査・画像診断(超音波、MRI、CTなど)、また腹腔鏡による方法があります。内診だけで正診率約75%といわれていますが、裏をかえせば25%の方が見逃されているという事になります。
そして全く症状がなく、色々検査をしても【原因不明】という不妊の方の40%~50%の確率で子宮内膜症が発見されるというデータがあり、これらを考慮すると腹腔鏡検査を相談されるのも良いでしょう。
但し、腹腔鏡検査はおなか(臍部周囲)を切開し内視鏡カメラを挿入して腹腔内を観察するという方法なので、今は技術が進歩していますが抵抗がある方も多いと思いますので、産婦人科医とよく相談されてください。
子宮内膜症の治療方法
治療の方法としては、外科手術(開腹手術、腹腔鏡)や、GnRH漸減療法や低用量ピルなどの薬物療法(疑妊娠療法、疑閉経療法)がありますが、中医学ではそれらの方法と合わせても行える漢方薬をおすすめします。
かたまりやしこりを改善したり、出血を抑え痛みを和らげる漢方薬があります。あなたの生理の周期に合わせて正常なリズムを保ちながら服用できるので、身体に無理な負担をかける心配が少なくすみます。
中医学での対応の流れ
まずはスムーズな排卵を
まず排卵をしやすくするため、一般的に排卵予定日の2~3日前から10日ほど、活血化オ(かっけつかお)薬・消腫散結(しょしゅさんけつ:固まりやしこりを取る)薬などを集中的に使用します。異常内膜組織を中国漢方ではオ血チョウ積(おけつちょうせき:血の流れが悪くなり、腫瘍や固まりができること)と捉えるためです。
そして着床を
さらに着床を考慮し、優れた止血作用と癒着やしこりをとるという、相反する作用をあわせ持つ田七人参(でんしちにんじん)などの生薬を一定期間使用します。田七人参は妊娠せずに月経期が来ても、異常内膜からの出血や癒着を抑え、子宮内膜症による痛みを緩和する目的と、妊娠しやすくするよう子宮内膜をきれいに剥離させる目的でおすすめの生薬です。
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