生理不順
生理不順とは文字通り生理(月経)の周期が一定しないことを指します。
実はこれが女性の不調、また、不妊とも深く関わっています。
生理周期は初潮から数年は安定しないものですが、次第にある程度の周期が読めるようになるものです。
個人差はありますが、一般的に25~35日間が一周期となっています。
生理不順の背景には、無排卵月経、卵子の質が悪い、排卵がうまくいかない、黄体ホルモン(高温期維持に必要)の働きが悪いなどの理由が潜んでいる可能性があるので、「生理の周期が安定しない」事を軽視すべきではありません。
これらの状態を中医学では気血両虚(きけつりょうきょ)や腎虚(じんきょ)という虚症(きょしょう:働きが低下している)に属するものと考え、足りない力を補う方法で対応していきます。
気血両虚(きけつりょうきょ)
生理がきてから次の生理まで28日以上かかる、血の色がうすい、サラサラしている、生理の終わりころに痛みがある、めまい、貧血、疲れやすい、ため息が多い、風邪をひきやすい、不眠、眼精疲労、脱毛などの症状があります。
気とは生命エネルギーのことで、体の中を巡って隅々を栄養する栄気(えいき)や、体を守るバリア機能を担う衛気(えき)などがあります。血は血液です。血液の役割は体の隅々にまで栄養と酸素を届け、老廃物などを排出する役割を担っています。
気や血が虚する=つまり足りなくなると、それぞれの働きが低下し、体に十分な酸素や栄養が行き届かなくなる他、いらないものの排出もうまくいかず、免疫力も低下する為、顔色は白っぽくなり、髪や肌に艶がなく、疲れやすくなり、食欲不振、不眠といった症状が表れます。
気血両虚(きけつりょうきょ)は、間違ったダイエット、食事の時間がとれない、食べているけど必要な栄養が不足している、という方が多く見受けられます。
特に「毎日3食食べているけど、栄養不足なの?」という方に、食事の内容を書き出していただくと目にみえて栄養が不足している意味がおわかりいただけると思います。気が足りない方へは補気(ほき:気を補う)、血が足りない方へは補血(ほけつ:血を補うこと)という方法で対応していきます。
気(き)を補う食べもの しめじやしいたけなどのキノコ類、大豆、ブロッコリー、粟、うるち米、もち米、大麦、山芋、蜂蜜、豚肉、牛肉など。
血(けつ)を補う食べもの 鶏肉、牛レバー、竜眼肉、ナツメ、小松菜、ほうれん草、人参、きくらげ、松の実、すっぽんなど。
腎虚(じんきょ)
生理の色が暗紅色、量が少ない、膝痛や腰痛がある、足腰がだるい、耳鳴り、不眠、もの忘れがある、むくみ、夜間尿などの症状があります。
中医学でいう腎とは生長・発育・生殖を司る器官です。腎の力は老化と深い関わりがあり、腎の力が低下すると白髪や耳鳴り、不妊といった症状が表れます。腎の力が弱い方へは補腎(ほじん:腎を補うこと)という方法で対応します。
元気な赤ちゃんを授かる為にも出産する為にも、気と血と腎のちからが整っていないといけません。毎日の食べものや漢方薬で補ったり、生活スタイルで整えたりすることが大切です。
腎(じん)を補う食べもの 山芋、黒ゴマ、黒米、黒豆、ひじき、くるみ、枸杞子など。
気が滞る
血虚や気虚、ストレスや過労、その他の理由も重なり、気の流れが滞っている状態を気滞(きたい)といいます。
生理周期だけでなく、生理の量が不安定だったり、生理痛、生理前の胸の張りや痛み、頭痛、イライラ、肩こり、便秘といった症状があります。
気血両虚(きけつりょうきょ)や腎虚(じんきょ)と併せて気滞(きたい)や虚熱(きょねつ)の状態になっている方もいらっしゃいます。詳しくはお気軽に薬草堂坂重薬局へご相談にいらしてください。
生理不順もすっきりしましょう!
※ひとりひとりの体質や症状によって、おすすめの漢方薬や健康食品が異なります。
自己判断せずに、漢方の専門家にご相談ください。
貴方に一番ベストな漢方薬をチョイスする為にも、漢方薬を服用の際は薬草堂坂重薬局にお気軽にいらしてください。
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