ホルモン負荷検査
ホルモン負荷検査(LH-RH検査とTRH検査)は、不妊症の原因を見つけるためにおこなう検査のひとつです。
無月経、無排卵がおこるのは、ホルモンバランスが崩れているからです。
また、毎月生理があっても、毎回排卵があるとは限りません。ホルモン検査には
卵胞刺激ホルモン(FSH)
黄体化ホルモン(LH)
プロラクチン
テストステロン(男性ホルモン)
エストロゲン(卵胞ホルモン)
プロゲステロン(黄体ホルモン) などがあり、低温期・排卵期・高温期と、それぞれの期に分泌されるホルモンの値を測定する検査です。
ホルモン検査の結果が気になる場合や、無月経、無排卵、多嚢胞性卵胞症候群の方の場合、ホルモン負荷検査でさらに詳しく調べます。(※ホルモン負荷検査を基本検査に含んでいるところもあります)
ホルモン負荷検査は、低温期、生理の2日目~5日目に特定のホルモンを注射し、数回(大体15分後~30分後~60分後くらい4回くらい)にわたって採血して血中のホルモン値の変化をみる検査です。検査結果によって以下の4つのパターンに分類されます。
視床下部不全型
LH、FSHが低い、または正常で、LH-RHに良好な反応下垂体不全型
LH、FSHが低い、LH-RHに反応なし卵巣不全型
LH、FSHが高い、LH-RHに中程度の反応多嚢胞性卵巣症候群
LHが高い、FSHは正常、LH-RHにLHは過剰反応、FSHは正常反応TRH検査では、潜在的高プロラクチン血症の有無がわかります。
女性のリズムとホルモンの分泌

女性の体の妊娠のための準備は、毎月、卵巣と子宮そして脳がおこなっています。
視床下部から分泌される性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)が下垂体に命令し、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)を分泌、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)が原子卵胞を刺激し、刺激された原子卵胞(たまごのもと)の数個が反応し、そのうち1コが成熟卵胞となります。
成熟卵胞はエストロゲン(卵胞ホルモン)を分泌し、子宮内膜をふかふかにします。(赤ちゃんのベッド作り)
次に成熟卵胞から卵子がとびだし(排卵)、卵胞は黄体に変化し、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌、この時期に受精し着床すると妊娠成立となります。
受精卵がこない場合は、ふかふかの赤ちゃんのベッド(子宮内膜)は不要となるので、生理として排出されます。

また、母乳を出すためのプロラクチンというホルモンが、妊娠・授乳期でないのに分泌されてしまうと、排卵しない、ということになります。プロラクチンはもともと出産後すぐに妊娠しないようにも働くホルモンなので、排卵を抑制します。プロラクチン値を調べる検査がTRH検査です。
ホルモンバランスを整える
不妊治療の現場では、過不足のあるホルモンを補充したり抑制したりするお薬が用いられると思います。
中医学では、漢方薬と食生活、またストレス対策などを考えていきます。
漢方薬ではホルモンの過不足を整えるために直接補ったり排出を促すものだけでなく、本来自然に分泌されるホルモンをキチンと自分で分泌できるように体質改善を目的として使用するものもあります。
そして漢方薬と同じように大切に考えている食事のアドバイスや、ストレスに対応する方法なども同時に行います。
生理がこない、排卵がない、基礎体温表がぐちゃぐちゃで、どう読んでいいのかわからない・・・
そんなお悩みがございましたら、お気軽にお問合せください。
生理のリズム、ホルモンバランスを整えて、妊娠しやすい心身を作っていきましょう!

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