眠れない人は眠りすぎ?
昨今、睡眠改善薬を購入される方が多くなっているように感じます。
寝つきが悪い(入眠障害)、眠りが浅く何度も目が覚めてしまう(熟眠障害)、夜中に目が覚める(中途覚醒)、睡眠改善薬を飲むとぐっすり眠れるから、ということです。
不眠は一説に「コロナの後遺症」にもあるといわれていますが、安易に睡眠改善薬を常用すべきではないと思います。例えば、ある製品は風邪薬や鼻炎薬で用いられる塩酸ジフェンヒドラミンの「眠気が起こる」といった副作用を効果としています。不眠を改善するための薬ではないのです。
とはいえ、やはり「ぐっすり眠れない」のは辛いですよね。
そもそもなぜ「ぐっすり眠れない」のでしょうか。
日本人男女10万人の追跡調査
国立研究開発法人、国立がん研究センターから、1990年と1993年~2014年、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、沖縄県宮古、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、大阪府吹田、東京都葛飾の11の保健所管内にお住まいの40歳~69歳の当時がんや循環器疾患、糖尿病に罹患していない男女10万人(調査アンケートに回答して頂けた方対象)を追跡調査した結果に基づき、睡眠時間と死亡リスクについて調べた結果が論文発表されています。
もともと睡眠時間は長すぎても短すぎてもだめ、といわれています。
睡眠時間が7時間のグループと比べて、10時間以上では、死亡全体のリスクが男性で1.8倍、女性で1.7倍高くなり、循環器疾患死亡については、男性では7時間のグループと比べて、9時間以上でリスクが高い関連が示されましたが、睡眠時間とがん死亡リスクとの関連はみられませんでした。
この調査結果から「睡眠時間7時間以上で死亡リスクが増加する」ということがわかりました。ひとつの調査によるものなので、もちろん、もっと詳細に調査研究をする必要はあると思いますが、指標としてとらえると、40歳以上であれば大体5~6時間の睡眠が健康的と考えると良さそうです。
※必要な睡眠時間は個人差もあります。
眠れない人は眠りすぎ?
60歳以上になると基礎代謝力も落ちて活動量も減りますので、食事や睡眠の必要量も若い頃よりは減少するのが自然だといえるでしょう。
もともと「6時間の睡眠時間が適当」という方が8時間寝ようとして「眠れない」のは当たり前です。
まずは、自分に適当な睡眠時間を知るために睡眠日記をつけてみましょう。
毎朝、起きたあとに、前日の
・ベッドに入った時間
・就寝時間
・起床時間
・途中で起きてしまった場合はその回数
を記録しておきましょう。その日記を1ヶ月つけてみて、途中で起きてしまった日を省いて、合計して日数で割ると平均値が出ます。
例えば、1ヶ月31日中、途中で起きた日が9日だと22日、22日の睡眠時間の合計が120時間だとすると、大体5.45です。あなたに必要な睡眠時間は5時間半~6時間です、となります。
ベッドに入るのは30分前で十分なので、夜の11時半にベッドに入って起床は5時半か6時にします。
また、昼間、どんなに眠くなっても昼寝はしないようにしましょう。トイレのための中途覚醒が多い方は寝酒をやめましょう。アルコールには利尿作用がありトイレが近くなります。
寝酒をしていないけど・・・どうしても夜トイレに起きてしまう、といった方はお気軽に坂重薬局にご相談にいらしてください。
腹式呼吸のすすめ
さて最後に、特に「なかなか寝付けない」という方に簡単でおすすめしたいのは「腹式呼吸」です。
イスに座って背筋を伸ばして、おなかに両手を当ててください。
次におなかを掌で軽く押しながら息を長く吐いていきます。大体4秒かけて口からゆっくり吐きます。
そして一気におなかに酸素を吸い込むように意識して鼻から息を吸います。1秒です。
おなかをへこましながら口から息を吐く。
おなかをふくらませながら鼻から息を吸う。10回ほど繰り返します。呼吸は「しっかり吐く」ことを意識すると、しっかり吸えます。
腹式呼吸は不眠にも、ストレス解消にもおすすめです。
なかなか眠れない、眠りの質が心配、夜間尿、頻尿で悩んでいるという方はお気軽にご来店ご相談ください。
★漢方薬は医薬品です★
あなたの証に合っていないと改善しないばかりか、悪化する可能性もあります。
漢方薬を服用する際には、必ず、当店の専門スタッフにご相談くださいね。
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