頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)
デスクワークの方が増えてきています。
「ちょっと肩が痛いな」「首がこってるな」「背中が痛いな」といった症状をほうっておくと、発症するかも知れないのが頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)です。頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)は、首・肩・腕の痛みやしびれの総称のことです。
「ただの肩こり、首こりでしょう」と軽視してはいけません。
実は、頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)の背後には、頚椎症や頚部脊椎症、胸郭出口症候群、椎間板ヘルニア、高血圧、狭心症、心筋梗塞などの心疾患、が隠れている可能性があります。
頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)の症状
首のこり、痛み
肩のこり、痛み
腕や手のしびれ
背中の痛み、しびれ
腕や手が冷たい
腕が重だるい
脱力感
運動すると鋭い痛みを感じる要注意の症状
上記のような症状が・・・こりや痛みが、きまって同じ場所に表れる
症状が長引いている
症状がどんどん強くなる
指のほうまで痛い
腕や指にちからが入らない
胸やおなか、背中まで痛みが広がっていると、なってくると何かしらの病気が背景にあるかも知れませんので、医療機関にて検査されたほうが良いでしょう。
精神バランスを崩すことも
「ただの肩こり、首こり」が次第に痛みやしびれを伴い、着替えの時や食事の時、日常の生活に不自由を感じるようになるかも知れません。
いつもの生活が、痛みやしびれのためにうまくできなくなることで、精神的な負担、イライラを感じるようになります。
そうした毎日を重ねていくと、集中力・判断力の低下、情緒の不安定、睡眠障害などを招くこともあります。
頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)は軽めのうちに対処しておくと良いですね。
頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)予防のポイント
1時間ごとに10分休憩
デスクワークや座りっぱなしの作業、パソコン、1時間作業したら、10分休憩する、を目指しましょう。席を立てない方は、座りながら手や腕、足を伸ばす、姿勢を変える、でも良いでしょう。積極的に温める
首や肩が冷えると筋肉が緊張し、血行が悪くなります。衣類やストール、ホットタオル(タオルを水で濡らし電子レンジで30秒~1分チンする)、お風呂などで積極的に温めましょう。冷湿布は刺激を与えて血行を良くする為に使うようですが、使わなくても良いでしょう。筋力をつける
強い痛みのある場合などはストレッチや筋力アップトレーニングは逆効果となることもあります。日頃から、軽いストレッチや運動をして筋力を鍛えておくと良いです。例えば太極拳やヨガなどは内筋を鍛えてくれます。筋力をつけて自分の頭を自分の首で支えられるようにしておきましょう。
マッサージはさする程度
頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)の方は、こりや痛みを解消できると思いマッサージをしてもらいたくなります。確かに病院での治療でもマッサージが入ってくるかも知れません。
ただ、筋肉をほぐし、血行を良くし、こりや痛みを取り除くことが目的なので、ゴリゴリと強い力でマッサージするのではなく、掌でさする程度のマッサージで十分です。筋肉の緊張をときほぐすような感じで行うと良いでしょう。
中医学でみる頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)
頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)で多いタイプをご紹介します。実際には、他のタイプや複合タイプの方もおりますので、自分のタイプが知りたいという方はお気軽にご相談にいらしてください。
寒痺(かんぴ)タイプ
痛みが激しい・寒い時に悪化する・温めると楽になる・痛むところが冷たい・痛むところがいつも同じ・関節がこわばる・手足が冷える上記のような症状の方は、寒痺(かんぴ)タイプです。
【おすすめの漢方薬】
附子湯、烏頭湯、甘草附子湯、甘草乾姜湯合安中散、桂枝加朮附湯、葛根加附子湯、麻黄附子細辛湯など
瘀血(おけつ)タイプ
痛むところが紫暗色またはどす黒い・刺すような痛み・夜間に痛みが強くなる・拍動痛上記のような症状の方は瘀血(おけつ)タイプです。
【おすすめの漢方薬】
血府逐瘀湯、補陽還五湯、疎経活血湯、身痛逐瘀湯など
気血両虚(きけつりょうきょ)タイプ
疲れると痛みが悪化する・疲労感がある・常に横になりたがるまたは座りたい・痛むところが痩せている・重だるい・ひきつるような痛みがある・手足がしびれる・全身の倦怠感上記のような症状の方は気血両虚(きけつりょうきょ)タイプです。
【おすすめの漢方薬】
独活寄生湯、合十全大補湯、大防風湯、双和湯、神応養真丹など
湿痺(しっぴ)タイプ
重だるい痛み・むくみやこわばりを伴う・雨や湿度の高い日に痛みが強くなる・寒い時に悪化する・空気が乾燥している時に楽になる・入浴中は楽になるが入浴後に痛みが増す・軟便または下痢しやすい・痛むところは冷たいが足裏がほてることがある上記のような症状の方は湿痺(しっぴ)タイプです。
【おすすめの漢方薬】
苓桂朮甘湯、五積散、二朮湯、キョウ活勝湿湯・防己黄耆湯・苓姜朮甘湯加附子など
腎陰虚(じんいんきょ)タイプ
腰および下肢が重だるい・腰から下が軟弱・痛むところがやや赤い・疲れると痛むところの赤色が強まる・痛むところを温めても楽にならない・痛むところに手をあてていると楽になる・ジワジワと痛む・引っ張られるように痛む上記のような症状の方は腎陰虚(じんいんきょ)タイプです。
【おすすめの漢方薬】
六味丸、小建中湯、知柏地黄丸、杞菊地黄丸など
※漢方薬は医薬品です。あなたにピッタリのお薬をお選びいたします。服用の際は必ず薬草堂坂重薬局へご相談ください。
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